【一般質問】奨学金制度の充実について

【一般質問】奨学金制度の充実について

 貧困家庭の進学困難が社会全体の課題となっている。

 (1)奨学金制度の現状について。  (2)戸田市独自の奨学金制度について。

奨学金制度の充実についてお伺いいたします。

 2012年、厚生労働省が日本の17歳以下の子供の16.3%、およそ6人に1人もの子供が相対的貧困状態にあるという衝撃的なデータを発表して以来、貧困家庭における進学の困難と、それが世代を超える貧困の連鎖が我が国全体の課題となっております。また、この間、お茶の水女子大学が行った調査など、さまざまな調査により、世帯収入と家庭の経済格差が学力格差を生み出すということが明らかになっております。親の経済的貧困は、子供の学力や学歴、就職後の所得にも影響し、さらには次の世代にまで貧困が連鎖してしまう。この連鎖を断ち切るためにも、どんな家庭に生まれても、学びたいと思う子供に学ぶ機会を与えるための仕組みが必要ではないかと考えます。

 そこで、戸田市の奨学金制度をさらに充実させ、そのような子供たちにチャンスを与えることができないか、順次、お伺いいたします。

 まず、(1)奨学金制度の現状についてですが、これまでの戸田市における奨学金制度の基本的な仕組みと、これまでの利用者についてお伺いいたします。

 次に、(2)戸田市独自の奨学金制度についてお伺いいたします。

 2月に行われました臨時議会において、名誉市民である中村隆俊様から御寄附を賜り、戸田市教育基金が設立されました。中高生の教育の振興のためにということでありますが、この基金を生かして、相対的貧困の状態にある御家庭の中高生を対象とした奨学金制度としてはいかがでしょうか。

 また、その際は、先ほど件名2でも取り上げましたふるさと納税をクラウドファンディング化することができれば、この奨学金を募ることで、さらに基金をふやすこともできるのではないかと思います。そして、いつの日かは、戸田市には貧困家庭があっても、全ての子供は学ぶ機会が保障されていることで、学びたいのに学べない子はいないようにしていただきたいと思います。これを機会に、そういった奨学金をぜひともつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

◎鈴木研二 教育部長  3の奨学金制度の充実について、初めに、(1)奨学金制度の現状についてお答えいたします。本市の奨学金制度には、入学準備金貸付制度と奨学資金貸付制度の2種類がございます。まず、入学準備金貸付制度は、高等学校及び大学等に入学を希望する方の保護者で、入学準備金の調達が困難な方に対して無利子で入学準備金を貸し付けることで、教育を受ける機会を助長することを目的としております。申請者数は、ここ5年間ほぼ横ばいで、40人前後でございます。次に、奨学資金貸付制度は、経済的な理由により就学困難な方に対し、奨学資金を貸し付け、有用な人材を育成することを目的としております。この奨学資金貸付制度の申請者数も、ここ5年間ほぼ横ばいで、40人前後でございます。平成22年度から公立高校の授業料無償化、高等学校等就学支援金制度の開始に伴い、高校生の申請が減少傾向になっております。

 次に、(2)戸田市独自の奨学金制度についてお答えいたします。このたび戸田市名誉市民である戸田中央医科グループの中村隆俊会長から、本市在住の中学生、高校生の教育の向上・振興のため、2億円の寄附をいただき、戸田市教育基金を設立いたしました。先日、教育長と私とで中村会長と直接お会いし、戸田市教育基金の使途について改めてゆっくり御意向を伺ってまいりました。その御意向に沿い、グローバルな今の時代、未来の宝である子供たち、特に経済的な理由により就学困難な子供でも平等に世界に羽ばたくための後押しとなるような給付型奨学金制度の創設に向け、現在準備を進めております。その内容ですが、1つは、高校生の奨学金でございます。さらに、中高生に対して世界に羽ばたくための後押しとなるような奨学金を検討しております。詳細につきましては、6月議会に提案させていただきたいと考えております。いずれにしましても、これから開始する制度ですので、中村会長の御意向や国・県の就学支援制度の動向も視野に入れ、適切に運営を行ってまいります。

 以上でございます。

◆1番(矢澤青河議員) ありがとうございました。給付型の奨学金を検討中とのことで、大いに期待させていただきたいと思います。学びたい子供たちに奨学金がしっかり届くような仕組みをつくっていただけるよう、どうぞよろしくお願いいたします。

 では、答弁いただきましたので、少し再質問をさせていただきたいと思います。

 今後、制度設計されるということですが、奨学金の詳細については、例えば、入試の結果や学業の成果に応じた貸付制度での返納免除のような、生徒の意欲を向上させ、努力が反映される仕組みにするなど、工夫していってはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

◎鈴木研二 教育部長  今回の新たな奨学金制度は給付型の奨学金であることから、返済は不要ですが、生徒の努力を促すためにも、毎年度、学業の状況等を確認した上で給付を確定していく予定でございます。学業成績の著しい不振等が明らかとなった場合には、給付の停止や、既に給付した奨学金について返還を求めることも検討していく必要があると考えております。

 以上でございます。

◆1番(矢澤青河議員) ありがとうございます。

 再質問させていただきます。

 今回創設してくださる奨学金のうち、世界に羽ばたくための奨学金は中学生、高校生を対象としておりましたが、もう一つの奨学金は高校生のみ対象で、中学生が入っておりませんでした。検討中ということでしたが、もし、できましたら、その理由を教えていただけたらとも思います。

◎鈴木研二 教育部長  この給付型奨学金は、経済的事情により進学・就学を断念せざるを得ない生徒を後押しする制度であるため、義務教育である中学生に対しては対象としておりません。

 以上でございます。

◆1番(矢澤青河議員) ありがとうございます。

 再質問させていただきます。

 家庭の教育支出のうち、約65%が学習塾や習い事などの学校外活動費であり、経済の格差による教育格差は学校外教育で生まれやすくなっていると聞いております。学習塾等の学校外教育に対する補助など、授業以外の学習機会の確保に対して奨学金に使えるようにすることはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

 また、授業以外にももっと学びたいと思っていても、さまざまな理由で学ぶことができない子供に対しての取り組みなど、授業以外の学習機会の保障や支援に対してどのようなお考えをお持ちでしょうか。お伺いいたします。

◎鈴木研二 教育部長  議員御提案の中学生を対象にした学習塾等に通う費用などの奨学金については、現在のところ考えておりません。しかし、もっと学びたいと思っても、さまざまな事情により学ぶことができない生徒についても、学習機会の保障や支援を確保することは大変重要なことと考えております。現在、放課後や長期休業中に市費非常勤職員の中学校アクティブティーチャーが実施しているとだっ子学習クラブの実施や、本年度から全県に先駆けて学習塾の講師による中学校補習授業を全中学校で実施しており、そういった事情がある生徒にも積極的に学習に取り組める環境の整備に積極的に取り組んでいるところでございます。

 以上でございます。

◆1番(矢澤青河議員)

 御答弁ありがとうございました。貧困の連鎖を断ち切るためにも、さまざまな支援を講じていただきたいと思います。ぜひともよろしくお願いいたします。