戸田市議会議員・無所属

【一般質問】寄附について

戸田市では、ふるさと納税への積極的な取り組みを始めたところである。

 (1)ふるさと納税の現状について。  (2)さらなる寄附の充実について。

寄附についての(1)ふるさと納税の現状についてお伺いいたします。総括質問、一般質問と重複してしまいますが、御了承いただければと存じます。

 2008年から始まったふるさと納税は、自分を育んでくれた故郷や好きな自治体を寄附で応援するという趣旨の制度であり、都市部に集中する税収を地方へ分配し、地域活性化につなげる効果があるということで、ここ最近、大変注目されております。しかし、戸田市では、市内在住の他自治体へのふるさと納税により、おととしの税収が推計で8,094万円減ってしまったとのことであり、戸田市では、そういった状況を受け、昨年からふるさと納税の積極的な取り組みを始めたところだと伺っております。

 そこで、まず、戸田市でのふるさと納税の現状や、市内と市外の寄附の割合などについてお伺いいたします。

 次に、(2)さらなる寄附の充実についてお伺いいたします。

 テレビやマスコミなどでも取り上げられておりますが、近年、各自治体で納税額をふやそうと、よりお得と感じるような返礼品や高価な返礼品が登場し、自治体間の返礼品競争が過熱している状況です。また、一方、先月、所沢市の藤本市長は、ふるさと納税の趣旨から逸脱した競争からおりるとして、返礼品の廃止を宣言するなど、自治体の考え方も多種多様になってきております。私としては、戸田市が現在行っております市内事業所の商品PRと経済活性化はもちろんですが、さらに戸田市の進める政策を推進するようなふるさと納税のあり方も模索すべきではないかと考えております。

 現在、市では寄附の使い道として、子育て、教育や健康福祉などの8つの支援メニューから選べるようになっておりますが、それをさらに細分化していただき、市の事業や取り組みに対してふるさと納税を募っていく、いわゆる自治体クラウドファンディングという新たな手法を取り入れてはいかがでしょうか。

 このクラウドファンディングでは、例えば、子供たちへの奨学金や部活動への支援、また、犬猫の殺処分ゼロを目指す動物愛護団体の取り組みやボート競技団体への応援などに対して寄附を募り、寄附者へのお礼は返礼品という形ではなく、子供たちからの感謝のお手紙や犬猫の写真やグッズなどを贈るというものであります。自分の税の使い道について、応援したい人や、動物、団体など、見える形で生かされる仕組みを構築することによって、本来のふるさと納税の趣旨、ふるさとを応援したいという方の純粋な思いが社会に還元されるのではないかと考えます。ぜひ検討すべきではと思いますが、御見解をお伺いいたします。

◎駒崎稔 環境経済部長  2の寄附、(1)ふるさと納税の現状についてお答えいたします。林議員の一般質問におきましても御答弁させていただきましたが、現状では、多くの自治体が寄附者に対し返礼品を用意しており、本市におきましては、昨年の12月より返礼品制度を開始し、先月までの2カ月間において、ふるさと納税返礼事業者を経由した寄附が1,474件、額として1,140万円でございました。また、市内の方と市外の方の寄附の割合といたしましては、9割以上が市外の方からとなっております。なお、現在は17の市内事業者に御協力いただいておりますが、新たに返礼品の提供を検討していただいている事業者もおります。

 次に、(2)さらなる寄附の充実についてお答えいたします。今後は、品物だけではなく、戸田市の魅力あふれる地域資源や各種イベントを活用した体験型の返礼品を検討しております。また、今回御提案いただいた教育関連の事業や犬猫の殺処分ゼロなど、自治体の事業に対してふるさと納税を募るクラウドファンディングという手法につきましても、他市などでの成功事例がございますことから、今後、研究を進めてまいります。なお、現状では、本市のふるさと納税返礼事務を委託している業者のシステムがクラウドファンディングに対応していないことから、既に担当から早期の実現に向けて要望をしております。さらに、実施する事業などにつきましても、本市にとって実りある内容となるよう、全庁的な検討をしていきたいと考えております。

 以上でございます。

◆1番(矢澤青河議員) ありがとうございました。ふるさと納税1,474件のうち、市外の方が9割を占めていたとのことで、戸田市を好きな方が市外にこれだけたくさんいらっしゃるということがとてもうれしく思います。また、積極的に御検討いただけるとのことであり、大変ありがとうございます。

 では、再質問に移りたいと思います。

 ふるさと納税のピークを見ますと、やはり年末の11月から12月までが多いようです。そのタイミングをうまく生かして、このクラウドファンディングを提案することが効果的ではないかと思います。私が調べた限りでも、既にクラウドファンディングに対応している業者が3つほどございます。ぜひそういった団体とも連携しながら、進めていただけたらと思います。

 また、ぜひこういった取り組みについて市民の皆様にもぜひ知っていただき、寄附を募っていくこともよいのではないかと思いますが、例えば、「広報戸田市」や市のホームページ、チラシなどで案内や、市内向けの寄附体制の整備なども推進していただけないでしょうか。あわせてお伺いいたします。

◎駒崎稔 環境経済部長  クラウドファンディングにつきましては、事業者との調整や予算措置に加え、本市にとってどういった事業がクラウドファンディングに適しているか、検討を行ってまいります。

 また、市民の方へ向けた寄附の周知につきましては、既に広報やホームページを通じて行っているところではございますが、より一層の充実を目指し、担当課とも調整を図りながら進めていきたいと考えております。

◆1番(矢澤青河議員) 御答弁ありがとうございました。

 事業の内容と同じくらい写真やデザイン、文章なども重要かと思いますので、その際はぜひその点も考慮していただきたいと思います。これは要望とさせていただきます。