町会・自治会の加入率が減少し、担い手不足が課題となっている。 (1)戸田市の町会加入の現状と推進について。 (2)情報発信やさらなる推進策について。
◆1番(矢澤青河議員) 戸田の会の矢澤青河です。通告に従いまして一般質問いたします。
まず、件名1、町会加入促進の(1)戸田市の町会加入の現状と推進について。
地域課題である地域の見守りや安全・安心、福祉や防災などを推進し、地域コミュニティーの基盤をより強固にするためには、町会・自治会の存在が不可欠です。現在も各地域において、町会長、自治会長を初めとする地域の皆様がお互いに支え合い、住みよいまちを目指して御尽力いただいております。しかしながら、全国で町会・自治会の加入率が減少し、役員の高齢化、後継者や担い手不足が課題となり、地域を悩ませています。戸田市も例外ではなく、特に人口の増加や転入、転出など流動性の高さ、新旧住民や戸建てマンション居住者などの生活スタイルや意識の違いなどからコミュニティーの醸成がしづらく、現在の町会・自治会加入率は60%を切っております。そこで、まず、戸田市の町会加入の現状と推進についてお伺いいたします。
次に、(2)情報発信や、さらなる推進策について。
非婚化や少子高齢時代を迎え、ひとり暮らしや共働き、高齢者の世帯が増加し、世代間や住民同士のつながりが薄れ、情報共有や相互理解など多くの問題に直面しております。特に町会の情報発信は広報紙や回覧板、掲示板などが中心となっているため、新住民や働き世代、若い世代などへの情報発信やアプローチが難しく、町会への関心が薄くなっている、町会の存在や活動が知られていない、住民との接点、交流が難しいといった問題につながっております。
こういったことからも町会加入を促進し、自治会を活性化させるためには、未加入世帯へアプローチしやすい情報発信や情報共有などのツールが必要だと考えております。その情報発信のツールとして、ぜひ検討していただきたいのが、戸田市の主要なメール配信サービスである「いいとだメール」です。2018年に配信が開始された「いいとだメール」は、これまで別々に配信されていた「戸田市防災情報メール」「とだピースガードメール」「戸田市事業者サポートメール」を統合し、複数の分野にまたがる情報を集約して市民へお知らせするサービスです。
参考資料の図1をごらんください。こちらは「いいとだメール」の登録変更画面です。1度のメール登録を行うだけで、市からのお知らせや防災気象情報、また防災行政無線、防犯情報、産業就労情報などの複数の情報を得られ、さらに、このチェックマークを外すことで、自分の欲しい情報だけ取捨選択して受け取ることができます。このいいとだメールに町会・自治会ごとのメールグループを作成し、各町会がイベントなどの情報を発信できるようにできないでしょうか。
例えば、作成した美女木1丁目町会のメールグループを選択し、夏祭りや防災訓練の情報や加入促進メールなどを発信することで、事前に美女木1丁目町会のメールグループを受診設定にしている方だけに情報が届くといった使い方が可能となります。
次に提案したいのが、市ホームページなどを使った町会加入の申請です。近隣の和光市では、自治連合会のホームページにおいて、自治会加入申し込みフォームのページを設けて、スマホやパソコンなどから自治会加入の申請が可能となっております。ぜひ戸田市でも導入していただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。ホームページ上で町会の申し込みが可能となることで、例えば、先ほどのいいとだメールやSNSなどにURLを張りつけることで、情報発信とともに加入申請が可能となります。また、ポスターやチラシにQRコードを印刷することで、スマホから読み取り、直接、加入申し込みが可能となります。いいとだメールにおいては、各担当課がそれぞれ広報することで、相乗的に利用者が見込めますし、ホームページの加入申し込みはさまざまな媒体に利用が可能となっております。何よりどちらも予算がかからず、市は新たなツールを用意するだけで、使用するかどうかは、それぞれの町会の皆様が選択できます。
以上、情報発信や、さらなる推進策について、市の御見解をお伺いいたします。
◎駒崎稔 市民生活部長 1の町会加入促進について、(1)町会加入の現状と推進についてお答えいたします。
市といたしましては、地域コミュニティーの活性化のために、多くの世帯に町会・自治会に加入していただきたいと考えておりますが、現状においては、加入世帯数が微増傾向にあるものの、町会加入率としては低下している現状でございます。町会連合会では、町会・自治会の活動を知ってもらうことを目的に、昨年度はリーフレットを、今年度はポスターを作成いたしました。リーフレットは、主に各町会・自治会が加入促進を行う際に活用することを想定しており、ポスターは、町会掲示板や公共施設に掲示し、PRしているところでございます。
市が実施している主な町会加入の促進策といたしましては、宅地開発行為の事前協議におきまして、住宅系の建設事業を行う事業者等に対し、町会と協議を行ってもらうとともに、町会連合会作成のリーフレットを入居者へ配布し、町会加入を勧めていただくようお願いをしております。また、転入届け出時におきましては、「くらしの情報をらくらく取得♪」チラシを配布しており、QRコードを読み取ることにより市のホームページに移ります。そこには転入者向けのガイドブック等や、町会連合会作成のリーフレットにつきましても掲載されており、情報の提供を行っております。
次に(2)情報発信や、さらなる推進策についてお答えいたします。
町会・自治会のイベントの周知につきましては、参加する対象を各町会・自治会内としている場合が多いこともあり、主に町会掲示板や町会内回覧により実施しているところでございます。全市的な周知といたしましては、市のホームページにあるイベントスケジュールは、各町会・自治会の希望により掲載することが可能となっております。また、「tocoぷり」におきましても、tocoぷり情報発信員となっている各町会・自治会の方がイベント等の情報を発信しております。
御提案いただいた、「いいとだメール」の発信・受信を町会・自治会ごととすることにつきましては、実施する場合に、新たに情報選択のための階層を追加する必要がありますが、現在、クラウドサービスを利用しており、階層の追加は困難となっております。いいとだメールによる全市に向けた周知といたしましては、イベントスケジュールと同様に、各町会の希望により掲載することは可能と考えられますが、町会・自治会の負担とならないよう、町会連合会の意向を確認してまいります。
次に、市のホームページを活用した、市による町会加入手続の実施についてお答えいたします。
現在、町会・自治会への加入につきましては、直接、町会・自治会と連絡をとり、申し込むことになっております。町会・自治会ごとに手続方法等が異なることもあり、市へ町会加入の問い合わせがあった際は、町会長の連絡先をお伝えして、直接、電話をかけていただいております。また、市に加入したい旨の電子メールが届いた場合は、各町会・自治会に伝え、それぞれ対応していただいております。
今回御提案の市ホームページにおける加入手続につきましては、直接、町会長、自治会長に電話連絡をとることがハードルが高いと感じる方もいることを考えますと、時間を気にせず手続ができることは、加入促進に有効な手段の一つであると考えます。
今後、町会連合会の意見をお聞きするとともに、他市の先進事例等も参考にしながら研究してまいります。
以上でございます。
◆1番(矢澤青河議員) ありがとうございました。いいとだメールについては、46町会・自治会ごとでは階層追加が必要となり、難しいとのことでしたが、例えば、もう少し減らして、美女木地区、笹目地区、新曽地区、上戸田地区、下戸田地区など、市内5地区に分けるなど、工夫の余地はあるかと思います。また、メールテンプレートなどを用意し、例えば、夏祭りの日時と場所を聞くだけで情報発信ができるようにするなど、町会の皆様に負担をかけない仕組みづくりも可能かと思います。導入の御検討をよろしくお願いいたします。また、加入申し込みについては、ホームページ以外にもさまざまな方法があるかと思いますので、町会連合会の意見をお聞きし、早期導入できるようによろしくお願いいたします。
続きまして、再質問いたします。町会の加入促進を図るため、他自治体では町会・自治会向けの町会加入促進マニュアルやガイドブックを作成しております。
参考資料②の明石市「自治会・町内会加入促進マニュアル」をごらんください。明石市のマニュアルには、自治会の必要性やメリット、加入促進における役割分担などの体制、各世帯への訪問の流れや想定問答、新規戸建てや集合住宅など、住居形態に応じた加入促進策などのほか、訪問時に使用できる挨拶文やポスター、チラシのテンプレートなど、町会加入促進に使えるツールが盛り込まれております。また、町会運営のガイドブックなども、別冊でホームページに掲載されております。これらのツールは、町会の皆様の負担軽減につながるとともに、さまざまないい手法を簡単に共有し、加入促進を進めることができると思います。ぜひ戸田市においても他自治体を参考に導入していただけないでしょうか、お伺いいたします。
◎駒崎稔 市民生活部長 町会加入促進マニュアルの作成ということでございますが、挨拶文案なども含んだマニュアルを整備するということは、各町会・自治会が加入促進活動を行うに当たって有効であるというふうにも考えられます。町会の負担軽減にもつながると考えますので、どのような手法により実施できるか、町会連合会と協議してまいりたいと考えております。
◆1番(矢澤青河議員) ありがとうございます。戸田市の町会・自治会の皆様も、引っ越してこられた方は、直接出向いて町会加入を呼びかける。マンションの総会で時間をもらって町会の紹介を行うなど、各自でさまざまな取り組みを行っております。ぜひ加入促進策、マニュアル作成の際には、そういった各町会の施策についても取りまとめ、共有できるように、よろしくお願いいたします。
続きまして、再質問いたします。参考資料③「居住形態別町会・自治会加入率」についてごらんください。こちらは、戸田市の地域の皆様へのアンケートですが、表を見ますと、戸建てよりも集合住宅のほうが低い加入率となっております。マンションへの町会加入促進、特に新築時の働きかけは重要だと考えておりますが、現在の状況についてお伺いいたします。
◎駒崎稔 市民生活部長 マンションの新築につきましても住宅系の建築事業であり、宅地開発行為の事前協議におきまして、事業者等に対し、町会と協議を行ってもらうとともに、町会連合会作成のリーフレットを入居者へ配布し、町会加入を勧めていただくようお願いをしております。
また、町会の中には、マンションの建設中から事業者の連絡先等を確認しまして、積極的に加入を働きかけている町会もあると聞いております。
◆1番(矢澤青河議員) マンションなどの集合住宅への加入促進には、早い段階でのアプローチが重要です。マンション新築時には、竣工中の事業者との協議のほか、竣工後、管理組合やマンション住民による自治会が発足したタイミングにも加入促進を進めることが効果的かと思います。今後、戸田市にマンション担当が発足され、マンションに関する情報が集約されることも期待されます。そのため戸田市としても、町会・自治会へマンションの情報を提供したり、一緒に協議の場へ同席して橋渡しを行うなど、検討いただきたいと思います。こちらは要望とさせていただきます。 今回は、町会・自治会の皆様の活動支援策について質問させていただきました。