やざわ 続きまして、件名2の障害者雇用について。
今回の質問は、特別支援学校に通うお子様を持つ父兄さんから、学校を卒業した後の就労継続A型やB型をはじめとする就労先の選択肢が戸田市は少ないのではないかとのお話を伺ったことがきっかけとなりました。
早速ですが、参考資料3ページの⑤埼玉県内の障害者就労事業所・施設の表を御覧ください。こちらは、埼玉県が公表している障害者の就労関係の事業所と施設の一覧から、就労移行や就労継続A型、B型を抜き出して作成した図です。人口順に並び替えております。中央より少し上、薄赤色に塗り潰しているのが戸田市です。人口約14万人、面積約18平方キロメートル、人口密度約7,800。就労移行が1か所あり、定員が6名、就労継続A型が1か所で20名、B型が5か所で95名、AとBの合計が6か所115名で、人口比1,000人当たりの定員数は0.8名となっております。薄緑色に塗り潰しているのが、戸田市に人口、面積などが比較的近い自治体です。上から1,000人当たりの定員数は草加市が1.2名、上尾市は1.8名、新座市は1.4名、朝霞市は1.4名、ふじみ野市は1.7名、富士見市は1.1名となっており、単純な比較では、どの自治体も戸田市よりも人口に対する就労継続の定員数は多い状況でした。
この差の要因を調べるために、戸田市より定員数が多い複数の自治体に問い合わせてみましたが、どの自治体も就労継続A型、B型への誘致や直接的なアプローチなどは行っておらず、事業者の自由意思による申入れで設置されたこと、ここ5年で七、八か所増加した自治体もございましたが、なぜ増えたか要因は分からない、自然と増え、今の状況となったとの回答でした。
今回は人口と面積のみの比較のため、それ以外の要因、例えば戸田市は定員数の多い都内やさいたま市、川口市に囲まれていること、民間の一般就労の実態などを考慮していません。しかしながら、障害者就労についてはやはり市内の就労先を求められており、戸田市は実態として少ないため、卒業後の選択肢を少しでも増やしてほしいと考えております。
そこで、まず(1)就労継続A型、B型などをはじめとする障害者雇用の実態と今後についてお伺いいたします。
やざわ ありがとうございました。
市内の障害者就労の選択肢を増やすために特に重要なのが仕事を増やすこと、民間などの一般就労先を増やすことだと考えており、今回はその2つの観点から再質問いたします。
まずは、障害者の仕事を増やす取組について。法律により、国や地方公共団体等は障害者就労施設などから優先的に物品やサービスを購入する努力義務が課せられており、これを障害者の優先調達といいます。調達する物品やサービスは各自治体のニーズや土地柄、おのおのの施設の製作物が違うため、多くのバリエーションがございます。その中でも特に参考になる事例を紹介いたします。
参考資料4ページの⑥障害者の優先調達を御覧ください。青文字下線のリンクに飛んでいただくと分かりやすいのですが、成田市では、図のような優先調達推進のためのパンフレットを作成しております。このパンフレットでは、会議やイベントの開催、パソコンの入力や宛名シール貼りなどの日常業務において、各施設が対応可能な業務や物品を分かりやすくまとめており、庁内に配布することで情報共有を行い、優先調達を推進しております。また、朝霞市では、毎月市役所内で9つの障害者施設が交代して小物や食品などの製作品の展示販売会を行っております。さらに、ふじみ野市では、障害者施設で作っている豆腐ドーナツやベーグルを保育所の給食品として定期的に優先調達を行っております。どの取組も、仕事や販売先を増やすことはもちろんのこと、通常、障害者の父兄や団体など関係者にとどまりがちなおのおのの活動を広く職員や市民全体へ周知し、障害に対する理解促進の効果も期待されます。
他自治体では、前述のような取組で優先調達や理解啓発を行っておりますが、戸田市における優先調達の現状と今後の取組についてお伺いいたします。
やざわ 戸田市内の優先調達については1,000万円を超えており、金額的にはとても高く、いいと考えておりますが、細かい物品や事業などはまだまだ増やす余地があると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、民間などの一般就労を増やす取組について再質問いたします。
障害者雇用促進法により、民間企業に対して障害者の雇用が義務づけられております。社員数に対して雇用すべき障害者の割合を法定雇用率といい、2.3%、社員43.5人以上で1人以上雇用しなければなりません。こういった一般企業等への就労を目指すため、必要な知識や能力を向上させる訓練を行うことを就労移行支援といい、戸田市障害者就労支援センターが担っております。障害者の社会進出のためにも、一般企業などの就労先を確保することは重要なことですが、現状、埼玉県における民間企業の法定雇用率の達成状況は49.5%となっております。この法定雇用率などの監督は厚生労働省が担っておりますが、一般就労の拡大に関する取組は不足していると感じており、一番身近な地方自治体でもしっかりと取り組まなければならないと考えております。
そこで、積極的に一般就労先の確保に取り組んでいる自治体の取組を紹介いたします。参考資料4ページの⑦障害者の一般就労支援を御覧ください。こちらにございます三条市では、一般就労の拡大を重視しており、障害者計画においても新たな就労の場の開拓として、障害者雇用支援企業の誘致など民間活力の活用による新たな一般就労先の確保を掲げており、これは戸田市の計画にはない部分でございます。実際、民間企業と連携して就労支援の取組を行うことにより、就労移転支援事業所開設を実現しました。さらに、三条市の職員さんがホームページを通して株式会社スタートラインという会社の取組に興味を持ち、直接アプローチを行い、市内への誘致を進めるため協議を重ね、今年の2月にスタートラインとの協定を締結。今年の秋には「BYSN(バイセン)」というコーヒーを焙煎する新しい事業を開設し、今後約100名の雇用創出を見込んでおります。
実は、この株式会社スタートラインですが、戸田市の美女木に工場を活用した屋内農園型施設「IBUKI」を運営しております。施設内は民間企業のサテライトオフィスとして複数のブースに分けられており、そこに各民間企業の雇用している障害者が働いております。各ブースで栽培した成果品は、ハーブティーなどの形で民間企業に納品され、ノベルティーとして活用できます。また、施設内には専門のサポートスタッフやカウンセラーも常駐しており、新しい形の障害者就労施設となっております。
また、参考資料の下、大宮駅から北に3キロほど進んだところに、JR東日本の高架下の有効活用の一環で、民間と活用した省エネ屋内農園のレタス工場が設置されております。これは、高齢者や障害者など多様な人材の場として期待されております。このように、市が積極的に民間へアプローチすることで、土地の少ない戸田市でも工場やJRの高架下を利用したスタートラインによる一般就労の雇用創出の可能性がございます。
ほかにも、他自治体では、工賃補助や雇用会社への補助など市独自の支援策を行っている自治体など、様々な取組がございます。
そこで、戸田市における障害者就労支援の現状と今後の取組についてお伺いいたします。
やざわ ありがとうございました。
現在、一般就労の雇用創出については、国の役割でもあり、現在のところ戸田市としては特別な取組はしていないことと思います。しかしながら、特別支援学校などを卒業したときに少しでも選択肢を増やせるように、おのおのに合った仕事場を探せるように、最低限、戸田市内で民間の一般就労がどの程度あるのか、状況確認のため、市内の民間企業の法定雇用率の達成状況を確認する、また良質な取組を行っている企業へ直接アプローチするなど、今後の積極的な取組をお願いいたします。こちらは要望とさせていただきます。
以上で私の一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。