戸田市議会議員・無所属

【一般質問】東京2020オリンピック・パラリンピックについて

来年開催の東京2020オリンピックの聖火リレーが戸田市内を走ることが発表された。 (1)これまでのキャンプ地誘致やイベント開催の検討状況など、現状は。 (2)今後の計画やさらなる推進は。

◆1番(矢澤青河議員) 戸田の会の矢澤青河です。通告に従いまして一般質問を行います。

 東京2020オリンピック・パラリンピックについて、東京2020オリンピック・パラリンピックまで残り400日と少しとなりました。昨年6月議会の熊木議員、手塚議員の総括質問では、菅原市長より、1964年の東京オリンピックの開催地であり、ボートのまち戸田として事前キャンプや聖火リレーの誘致について、関係各所に協力を求め、情報収集に努めるなど、積極的に働きかけてまいるとの御答弁がありました。そして、先日、聖火リレーの県内ルートが決定し、実に56年ぶりに聖火が戸田市内を走ることとなりました。地域の方からも前回のオリンピックの思い出や期待の声を多くいただいており、市長初め、市の担当の皆様、関係者の皆様の御尽力に改めまして感謝いたします。

 聖火は、2020年7月7日に川口市から出発し、戸田市と蕨市を通過し、和光市、朝霞市、新座市へと進むとのことですが、できる限り多くの市民の皆様が、今回のオリンピック・パラリンピックを体験できるように盛り上げていただきたいと考えております。

 そこで、まず質問いたします。(1)これまでのキャンプ地誘致やイベント開催の検討状況など、現状についてお伺いいたします。

 そして、(2)今後の計画やさらなる推進についてお伺いいたします。

 以上、よろしくお願いいたします。

◎安部孝良 市民生活部長  1の東京2020オリンピック・パラリンピックの(1)これまでの本市におけるオリンピック・パラリンピックに関する取り組みについてお答えをいたします。

 まず、事前キャンプ地の誘致については、これまでも埼玉県ボート協会と連携をとりながら、誘致を進めております。本年4月には、中国のボートチーム及びカヌーチームとオーストラリアカヌーチームの視察を受け入れており、事前キャンプの実施に向けて好感触を得ているところでございます。

 また、市内での機運醸成を図るためのイベントとしては、オリンピック・パラリンピックそれぞれの2年前を記念したイベントをイオンモール北戸田を会場に実施いたしました。その中では、ボート競技の体験コーナーや車椅子ラグビーの体験などを中心に、埼玉県でのオリンピック・パラリンピックの開催についてPRを行いました。なお、来月20日と8月25日には、オリンピック・パラリンピックそれぞれの1年前イベントの実施を予定しており、さらに規模を拡大して開催したいと考えております。

 次に、(2)今後の計画やさらなる推進についてお答えをいたします。

 先ほど議員からもお話がありましたが、本市を聖火リレーが通過することが6月1日に発表されました。蕨市との共同ルートでのリレーとなりますが、市内の詳細なルートについてはまだ決定されておりません。現在の予定といたしましては、12月ごろに詳細なルートが大会組織委員会から発表されるとのことでございます。

 本市としては、この聖火リレーを記念したイベントを開催するため、本年5月に市民・職員等で構成された戸田市聖火リレー記念イベント等準備委員会を設置し、現在実施内容について検討を進めているところでございます。

 また、事前キャンプの誘致につきましては、今後もボート・カヌー競技を中心に、本市の友好都市、姉妹都市がある中国及びオーストラリアに絞って、事前キャンプの誘致に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

 なお、オリンピック・パラリンピックに向けての機運醸成として、先ほどの1年前イベントを行うほか、1964年東京オリンピックの際の日本代表が乗ったエイト艇を庁舎に展示するなど、この機会を生かして、ボートのまち戸田を積極的にアピールしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

◆1番(矢澤青河議員) ありがとうございました。

 キャンプ地の誘致としては、友好都市のある中国及びオーストラリアのカヌーやボートチームの視察の受け入れを行い、聖火リレーの詳細なルートは12月ごろ発表され、イベントは準備委員会で協議を通して検討するとのことでした。

 聖火のルート選定の基本的な考え方として、できるだけ多くの人が見られる場所、安全、確実に実施できる場所、地域や国内外に誇れる場所、聖火によって新たな希望をもたらされる場所となっております。これらの条件に当てはまる場所として、真っ先に浮かぶのがやはり県立戸田公園でございます。1964年の東京オリンピックでボート競技会場となり、当時使われた聖火台などでボート競技会場と、当時のレガシーが残る場所でもあり、当時を知る方は戸田ボートコースに94の参加国の国旗が並んでいたことを今でも覚えているよといった懐旧の念を抱いております。たくさんの市民の皆様がオリンピックに参加し、戸田の誇りを感じられるように、これから決定していく聖火のルートやイベントは、県立戸田公園で進めていただけたらなと考えております。

 それでは、順次、再質問いたします。

 オリンピック・パラリンピックは、子供たちにとって、チャレンジ精神やフェアプレー精神を育み、障害のある方や海外の方などとの多様性を理解するきっかけになるなど、将来に向かって成長するための大変貴重な機会です。現在、戸田市の小中学校では、東京2020教育プログラム「ようい、ドン!スクール」に参加していると伺っております。このプログラムはオリンピック・パラリンピックの教材を活用した学習、競技の体験、アスリートなどとの交流、障害者理解、伝統文化の学習、国際理解、地域活動などへの参加という7つの分野などの学習活動を通して、自信と勇気、多様性の理解、主体的、積極的な社会参画という3つのレガシーを目指す取り組みでございます。各学校における東京2020オリンピック・パラリンピックに関するこれまでの教育委員会さんの取り組みと今後の予定についてお伺いいたします。

◎山上睦只 教育部長  本市では、市内全小中学校がオリンピック・パラリンピック教育実施校として認定を受けており、各学校においてさまざまな取り組みを行っております。例えばオリンピック出場経験のあるフェンシングの太田選手や柔道の羽賀選手を招き、特別授業を行ったり、パラリンピック正式種目ボッチャやウィルチェアーラグビーなど、実際に体験したり、障害者アスリートの体験談を聞いたりするなどの学習を行っています。また、国際交流の観点から、日本の文化に対する理解を深めるため、琴体験教室や茶道体験なども行っています。

 今後も、さらなるオリンピック・パラリンピックの機運醸成を図るとともに、国際理解や多様性への理解が深まるよう取り組みを進めてまいります。

 以上でございます。

◆1番(矢澤青河議員) オリンピックでの体験は、子供たちが将来に向かって成長し、将来の国際社会や地域社会で活動するためのかけがえのない財産となることと思います。今後、多くの子供たちが未来に希望を持ち、大人になっても覚えているいい思い出になるよう、引き続き取り組みをお願いいたします。

 続きまして、オリンピック・パラリンピックなどを契機とした障害者スポーツの推進や健康増進についてお伺いいたします。

 さまざまな障害のある選手が限界に挑戦するパラリンピックを通して、私たちに個性や多様性、社会の中でのバリアを減らし、発想の転換をしていくことの大切さを知ることができます。東京都は、オリンピック・パラリンピックのレガシーとして8つテーマを策定しており、その中の一つが多様性を尊重する共生社会づくりを推進することです。この無形のレガシーの実現のためには、障害のある方と障害のない方、それぞれの継続した働きかけが必要でございます。

 埼玉県では、パラリンピックを契機にことしの3月、埼玉県ゆかりのパラアスリートの協力で、障害者スポーツの理解促進用のための教材「みんなで楽しむパラスポーツとパラリンピック」を作成し、市内の小中学校へ配布しました。また、スポーツ施設における障害者スポーツの受け入れを推進するため、スポーツ施設向け障害者スポーツ受け入れマニュアルを作成したほか、県内のスポーツ施設ごとのバリアフリーや障害者の利便性向上の工夫や配慮などをまとめた「県有スポーツ関係施設における障害者の利用状況と利便性向上の工夫」というものを作成するなど、障害者スポーツの理解促進と環境づくりを進めております。

 初めの答弁で、戸田市では事前イベントとして、イオンで車椅子ラグビーの体験などを開催しているほか、各学校でパラリンピック種目の実施や障害者アスリートの体験などを開催しているとのことでした。これらの取り組みについては、パラリンピック前はもちろんのこと、パラスポーツの熱狂や興奮が記憶に残る終了後にも継続して推進していただきたく存じます。

 また、現在の戸田市のスポーツ大会や市民体育祭では、障害を持つ方が参加できる全市的な大会が少ないと感じております。市民体育祭やシルバースポーツ大会などにパラリンピックの種目を追加することで、障害を持つ方の運動ができる場がふえ、さらに多くの市民の方へ障害者スポーツに関する理解促進を図れるのではないかと考えております。

 また、近隣市の和光市では、チャレンジドスポーツ大会という障害を持つ方向けの運動会を毎年開催しております。和光市や社会福祉協議会、障害者団体などが主催として実行委員会を立ち上げ、話し合いながらさまざまな工夫で開催しており、昨年で36回を迎えたとのことです。

 ぜひ今回のオリンピック・パラリンピックを契機にさらなる障害者スポーツの推進をしていただきたいと考えておりますが、市のこれまでの取り組みと、今後のさらなるPRについて、市の御見解をお伺いいたします。

◎久川理恵 福祉部長  障害のある方に対するスポーツ推進についてお答えいたします。

 まず、県主催で年に3回実施されております障害者のスポーツ大会、彩の国ふれあいピックへの参加支援を行っており、本市からは、年間で延べ25名の方が陸上や水泳競技に参加されております。また市の心身障害者福祉センターにおいて、パラリンピック種目であるボッチャや全国障害者スポーツ大会種目のフライングディスクなどの講座を開催しております。ほかにも、精神障害者を対象にしたフットサルや、楽しみながら体を動かす場としてストレッチ体操、卓球バレーなどのレクリエーション教室も実施しております。

 今後も、こうした障害のある方も参加できるスポーツの機会を積極的にPRするとともに、引き続き戸田市スポーツ推進委員の方々の協力も得ながら、障害者スポーツの推進に取り組んでまいります。

◆1番(矢澤青河議員) ありがとうございました。

 まだまだ障害者スポーツについては、場所も少なく、理解促進が進んでないと思いますので、引き続きの取り組みをよろしくお願いします。

 続きまして、ボートのまち戸田のPRについてお伺いいたします。

 2017年度戸田市まちづくり戦略会議により提出されたボートのまちの未来を見据えたまちづくりに関する研究を改めて御紹介いたします。この研究では、市民にとっては、戸田ボートコースが市独自の地域資源として認識されているが、その一方で、市民とのかかわりが少ない状況にあることから、有形のレガシーと言えるが、一体感や愛着があふれるような無形のレガシーとはなり得ていないというふうなことが記載されております。ほかには、ボートのまちとして歩んでいくという共通の認識が必要であり、そのためには一丸となって、市、市民、関係団体で推進していくという姿勢を明確に打ち出すことが肝要である。そして、最後に東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を境に、市民にも身近に感じてもらえるボートの意識づくりが推進され、戸田市らしいまちづくりが進むことを期待し、本研究の総括としたいという報告がありました。

 私も、ぜひ今回のオリンピックを契機に、戸田市一丸となってボートのまち戸田を推し進めるべく、市民にとってボートが関心や愛着を持てるように取り組みを進めていただきたいと考えております。

 例えば先日の研究内にありました浜松市天竜区のボートのPR動画作成や、ボートのまちを啓発するような大きなポスターパネルを、ことしの8月より展示するエイト艇の展示にあわせて掲示するなど。また、職員研修の一環で、より多くの職員がボートを経験するなどの取り組みが紹介されておりました。

 さらには、例えばふだんから行っております体験教室をオリンピックを体験しようなどとPR方法を改めて変えて銘打ちまして、選手に参加していただいての交流や講演会などのイベントを開催する。また、現在の町会と学生とのイベントをさらに拡大し、聖火イベントや各種イベントに学生を巻き込み、市民との交流を図るなども考えられます。

 ボートのまち戸田をさらにPRするための取り組みとして、市の御見解をお伺いいたします。

◎安部孝良 市民生活部長  市といたしましても、オリンピック・パラリンピックを契機にボートのまち戸田として各種取り組みを推進しております。議員からお話がありましたPR動画につきましても、現在作成中でございまして、ホームページやSNS、イベント等で活用してまいりたいと考えております。また、本年5月には採用5年目の職員を対象とした研修の中で、実際にボートをこぐといった体験研修を初めて開催いたしました。参加した職員からは、ボートコースへの親しみや愛着を感じるよい機会となった。初めてボート競技の楽しさを知ったなどといった感想も聞かれ、今後も職員みずからがボートコースやボート競技に愛着心を持てるよう、引き続き実施してまいりたいと考えております。

 なお、市民を対象としたボート体験教室につきましては、開催時期の見直しや一層の周知を図り、参加者の増加に努めてまいります。

 また、聖火リレー記念イベントを初め、交流イベントにつきましても、これまで以上に、地元町会や大学生の協力と理解を得ながら、ボートのまち戸田を体感できるようなイベントとなるよう、実施内容についても十分検討してまいります。

 今後も、オリンピック・パラリンピックを契機にボートのまち戸田として、ボートコースを訪れる人、またボートを体験する人がふえていくよう、一層取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

◆1番(矢澤青河議員) 最後に、菅原市長にお伺いいたします。

 来年の東京オリンピック・パラリンピックに臨み、次世代へレガシーを継承するため、新たな活用を実現するためにも、どのような取り組みを進めるのか、抱負をお聞かせください。

◎菅原文仁 市長  矢澤議員の件名1の再質問にお答えいたします。

 6月1日に戸田市に聖火が来ることが発表されました。このことにつきましては、昨年8月に頼高蕨市長とともに県にも要望活動を行うなど、本市としても積極的に誘致に取り組んでまいりましたので、大変光栄であり、うれしく思っております。先ほどの部長答弁のとおり、聖火リレーを記念するイベントも実施予定でございます。この聖火リレーを契機に、改めて戸田市民にとってのレガシー創出につながるよう、市一丸となってしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 以上です。

◆1番(矢澤青河議員) ありがとうございました。

 残り100日と少しとなりましたが、市民の皆様の記憶に残り、将来に引き継がれるレガシーとなるように、より一層の推進、よろしくお願いいたします。