戸田市議会議員・無所属

【一般質問】ITの利用について

(1)いいとだマップについて。 (2)tocoぷりについて。 (3)さらなるアプリの活用について。

◆1番(矢澤青河議員) おはようございます。戸田の会の矢澤青河です。

   通告に従いまして一般質問を行わせていただきます。

 件名1、ITの利用についての(1)いいとだマップについて。

 いいとだマップは、平成16年3月より運用を開始された市民公開型地理情報システムです。今回は、いいとだマップについて3点ほど続けてお伺いしたいと思います。

 まず、1つ目ですが、参考資料の①をごらんください。【資料の提示】こちらは、いいとだマップのトップページをパソコンで表示した図で、このとおり、病院や診療所、ハザードマップ、都市計画情報など、戸田市の多種多様な電子地図を閲覧することができます。しかしながら、戸田市の公式ウエブサイトの各担当課のページには、それぞれのマップへのリンクが余りないため、このいいとだマップのページを経由しなければ閲覧できません。そのため、例えば、子育て情報のページから子育て関連施設のマップを閲覧するなど、目的に応じた利用が難しくなっており、市民の方の閲覧が少ないのではと懸念しております。そこでまず、いいとだマップの利用状況やアクセス数はどのぐらいなのか、お伺いいたします。

 次に、2つ目ですが、参考資料の②をごらんください。【資料の提示】こちらは、いいとだマップをスマホで表示した図ですが、このようにレスポンシブ対応をしていないため、スマホでは閲覧しにくくなっております。現在のシステムのまま、スマホでの最適表示に対応していただくのが一番ですが、システムの対応やコストが高くならないかなど、心配な面もございます。参考資料の③、数字が抜けておりますが、避難所一覧(パソコン表示)という表をごらんください。【資料の提示】こちらは、戸田市の公式ウエブサイトの危機管理防災課の避難所一覧のページをパソコンで表示した図になります。この一番下のほうに地図があるのですが、これはグーグルマップのマイマップを使った埋め込み地図になります。このグーグルマップのマイマップは、地図の住所や名称などのデータをグーグルマップにインポートすることで、誰でも簡単に無料で地図落としができる機能です。参考資料の④の避難所一覧のスマホ表示をごらんいただくとわかるとおり、【資料の提示】スマホでも見やすいだけではなく、右上の四角を押すとアプリに移行して、参考資料⑤のように、避難所一覧のアプリ表示を現在地とともに避難所一覧のマップを見ることができ、目的地をタップすることで道案内も表示されます。このマイマップを利用することで、コストもかけず、簡単に各担当課への埋め込み地図やスマホでの閲覧可能となりますが、導入への御見解をお伺いいたします。

 最後に、3つ目ですが、このいいとだマップのシステムを使い始めてから数十年たちます。ITの進歩は目まぐるしいものがございます。新しいシステムの変更は職員の対応など懸念もあると思いますが、それも含めて、コストや使い勝手、公開性やほかのツールとの連動性など、さらによいやり方があるかもしれません。本当にこのシステムがベストなのか、ほかのマッピングシステムへの変更を調査・検討についての御見解をお伺いいたします。

 以上3点、よろしくお願いいたします。

 続きまして、(2)tocoぷりについてお伺いいたします。

 近年、地域課題の解決や地域住民に役立つツールとして、スマホアプリを導入している自治体がふえており、観光や子育て、防犯・防災、ごみ分別や地域インフラ整備など、その活用法はさまざまです。戸田市においても、市民と行政が一緒につくり上げた市民参加型コミュニケーションアプリ「tocoぷり」を運用しており、戸田市からのお知らせや道路などのふぐあい報告、地域のお勧め投稿など、写真や地図を用いた気軽な情報発信により、市民協働のまちづくりを目指しております。このtocoぷりも、2014年12月にリリースされ、運用後、もうすぐ3年が経過しようとしており、そろそろ事業の検証の時期に差しかかったかと思われます。

 参考資料の⑥をごらんください。【資料の提示】今回、tocoぷりの実績データを事前にお伺いして表にいたしました。議事録の関係上、読み上げますと、平成26年12月から3月、決算は867万2,400円、内訳は、開発費810万4,320円、保守費56万8,080円、ダウンロード数4カ月で2,708件、登録者数706件、全体の投稿数201件、市民の方の投稿数60件、投稿された市民の人数は21人、要望などの対応数は10件となっております。平成27年度では、決算518万7,240円、内訳として、改修費は348万3,000円、保守費は170万4,240円、ダウンロード数は1年間で1,574件、登録者数は311件、全体の投稿数は846件、市民の方の投稿数は318件、投稿した市民の方の人数は83人、要望などの対応数は40件、この平成27年度の改修費用は全額が国庫補助で対応されております。続いて、平成28年度、決算が170万4,240円、内訳は保守が170万4,240円、ダウンロード数は1,390件、全体の投稿数は704件、市民の方の投稿数は308件、投稿された市民の人数は42人、要望などの対応数は18件、これは全て年間となります。備考としまして、決算の総額が1,556万3,880円、ダウンロード数の合計が5,672件、参考までに、隣には市の転入者は約1万人と記載しております。登録者数は合計1,225件、ダウンロード数の21.6%に値します。全体の投稿数は1日平均2件程度、市民の方の投稿数は1件弱となっております。参考までに、千葉市の「ちばレポ」という市民協働のアプリがあるのですが、こちらの要望等対応数は、平成28年で3,520件、人数としては924名、人口は戸田市の7倍のため、換算すると約500件、現在、AIを取り入れた「マイシティーレポート」というアプリを東大などと共同研究中でして、今後はそちらに一本化する予定です。

 以上のことから、まず、tocoぷりの導入目的と実績における導入効果について、御見解をお伺いいたします。

 続きまして、(3)さらなるアプリの活用についてお伺いいたします。

 戸田市では、2017年2月に、ヤフーと災害にかかわる情報発信などにかかわる協定を締結し、スマートフォンアプリ「Yahoo!防災速報」において、戸田市が発表する防犯や台風、災害時のライフラインなどの情報を、地域の方が直接受け取れるようになりました。同様に、自治体ニュースアプリ「マチイロ」との提携により、広報戸田市や、とだ議会だよりのスマホ閲覧ができるようになりました。ほかにも、戸田市では取り入れておりませんが、危機管理系のアプリとして、「全国避難所ガイド」というものがございまして、こちらは、位置情報を利用して地図上で現在地から近くの避難所を確認してナビゲーションできるのに加え、付近のエリア情報や防災情報の取得、ネット上の安否情報の登録・確認などの機能があり、山梨県を初め、他市町村も防災協定を締結しております。また、救命救急系のアプリとして「MySOS」というものがございまして、こちらは、一次救命処置ガイドによる胸骨圧迫までの手引に加え、位置情報を利用した地図上での現在地からAED設置場所や周辺の医療施設の確認やナビゲーション、また、熱中症や止血方法などのさまざまな応急処置ガイド、自身の持病や通院、処方箋などを記載できるマイカルテなどが利用できます。特にこういったアプリは、位置情報からのナビゲーションや情報取得、ワンタッチ起動とわかりやすい操作性、かさばらず詳しい情報と連携した機能がございます。何よりスマホは肌身離さず持っている方が多く、こういった有事の際に活用しやすいのではないかと考えます。

 このように、企業などが提供する既存のアプリには、無料かつ有用なものが多くございます。しかしながら、なかなかこういったアプリをみずから調べる方は少ないのかと思われます。そのため、ぜひ市として、既存のアプリを研究していただき、例えば、ホームページで紹介したり、普通救命講習や防災系のイベントを行った後に周知するなど、積極的に活用していただきたいと考えておりますが、御見解をお伺いいたします。

◎山本義幸 総務部長  それでは、総務部より、(1)、(3)について、まず御答弁申し上げます。

 1のITの利用について、(1)いいとだマップについてお答えいたします。

 まず、利用状況やアクセス数についてですが、いいとだマップは、都市計画図や下水道施設図などを管理する統合型地理情報システムとして、庁内の業務で利用しております。このうち、外部に公開できる部分を市ホームページにおいて積極的に市民に公開しているものであり、市内の公共施設情報を初め、都市計画情報や下水道台帳、バリアフリー情報などの地図情報を公開しており、アクセス数は月に約4,300件となっております。

 続いて、各課のページにおける埋め込み地図につきましては、グーグルマップよる避難所・避難場所マップがございます。また、各課のホームページ下部のアクセスマップに埋め込み地図のリンクを配置し、窓口開庁時間や来庁方法の説明などを提供しているほか、都市計画情報やバリアフリー情報などのページでは、利用規約に同意していただく画面を経由するため、いいとだマップへのリンクを掲載しております。埋め込み地図は、スマートフォン等での閲覧が容易であることから、担当課と調整を図りながら検討してまいりたいと存じます。

 続いて、他システムへの変更の調査・検討でございますが、現在使用しているシステムは、平成21年度から統合型地理情報システムとして導入しており、都市計画図や下水道施設図などのほか、統計調査情報や投票区情報など、行政事務の効率化のために活用しております。平成31年度に予定している次回のシステム更新の際には、コストや使い勝手、公開性や他のツールとの連動性など、総合的に最新のシステムについての調査・検討を行うとともに、今後もより使いやすい地図情報の提供ができるよう努めてまいりたいと存じます。

 以上でございます。

 次に、(3)のさらなるアプリの活用についてお答えいたします。御質問にもございましたとおり、スマートフォン用のアプリの中には、避難所ガイドや「MySOS」など、有事の際等にも有効なアプリがありますことから、担当課と調整を図りながら検討してまいりたいと存じます。

 以上でございます。

◎梶山浩 政策秘書室長  (2)のtocoぷりについてのお答えをいたします。まず、tocoぷりの導入目的につきましては、このアプリが搭載をしております、交流、広聴、広報の3つの機能を通じて、市民と行政との距離が縮まり、また、市民同士のつながりが強まることにより、地域コミュニティーが活性化することを目指し導入したものです。これまでの投稿実績から、各機能の事例を申し上げますと、交流機能では、地域で活動する市民団体からのイベント周知や会員募集、広聴機能では、市民の皆様からの道路や施設の瑕疵情報の提供、広報機能におきましては、市からのイベント周知や防犯・防災情報などの重要なお知らせの配信などです。次に、実績における導入効果につきましては、議員の配付資料にもありますが、ダウンロード数を一つの指標として捉えています。本年8月1日現在では6,700件まで増加しており、運用開始からこれまで、少ない月でも100件程度継続して増加をしております。これは、tocoぷりについて、市民の皆様に対し、一定の効果な周知がされており、また、このアプリに興味・関心を持っていただける結果ではないかと考えております。

 以上です。

◆1番(矢澤青河議員) ありがとうございます。

 (1)のいいとだマップについては、アクセス数が月4,300件と、思ったより多く感じました。先日お話を伺った際、戸田市公式ウエブサイトにリンクが掲載されている都市計画情報などのアクセス数が特に多いということでしたので、ぜひとも各担当課のページへグーグルマップなどによる埋め込み地図の掲載を積極的に担当課へ提案して進めてくださいますよう、よろしくお願いいたします。こちらは要望とさせていただきます。

 続きまして、(2)tocoぷりについて再質問いたします。

 参考資料の⑦をごらんください。【資料の提示】こちらは、平均的なグーグルプレイアプリの継続率のグラフになります。縦軸は継続率、横軸は経過日数となっており、一番下の5,000位にランクインしているアプリを見ると、アプリをダウンロード後、1週間程度でユーザーの80%の方が使わなくなり、継続率2割、90日当たりの継続率は1割となっております。そのため、企業などでは、ダウンロード数を指標とはせず、アプリに対して最終的な目標であるKGI(重要目標達成指標)という達成をするためのプロセス、KPI(重要業績評価指標)を設定して、KPIツリーというものを作成して業績評価を行います。

 参考資料の⑧をごらんください。【資料の提示】こちらは、企業のKPIをもとに、tocoぷりのKPIを作成してみたものです。KGIというものがアプリの目標でして、企業では売り上げを計上することがございまして、今回、tocoぷりでは、市民満足度の向上というものを提示しました。そして、右側の青い部分、KPIというものがアプリを評価するための指標やプロセスでございます。まず、アクティブユーザーというものは、現在tocoぷりを使っていらっしゃる人の人数です。そして、広報・交流・広聴、先ほどの目的に挙げられた3つの効果を、2つ挙げました。アクティブユーザーとこの広報・交流・広聴の効果がかけ合わさって、市民満足の向上を示す指標となるかと思います。このアクティブユーザーについて詳しく見ますと、継続率と新規流入というものがございます。新規流入というものが、ダウンロード数や登録者数、新しく入ってきた人の人数になります。継続率というものは、その新しく入ってきた方々がどれだけそのアプリを使い続けるかという指標になります。継続率についてはアクセス解析で、新規流入についてはダウンロード数や登録者数で、指標となるかと思います。そして、新規流入のほうですが、中のほうに入りまして、自然流入と広報・広告というものを提案しました。自然流入については、戸田市は転入者が多いため、1万人という規模がありますので、そういったところで自然に入ってくださる方もいらっしゃるかと思います。広報・広告としては、例えば、転入時に配布されております封筒の中にtocoぷりの案内があったり、ほかのホームページだったり、広報などで周知していて、その数がかけ合わさって新規流入の数になっていると思います。続きまして、広報・交流・広聴の効果について詳しく見ますと、広報については、投稿閲覧数というものが一つの目安となるかと思います。こちらは、アクセス解析のページビュー、投稿ページのアクセスしていた人の数で認識できるかと思います。交流機能については、市民の方が投稿した投稿数やその人数によって指標となるかと思います。広聴の効果については、要望などの対応していた数、要望等対応数が指標となるかと思います。

 こういったように、企業では、KPIツリーというものを策定して、どこの部分が指標になるか、または、それを改善するために、例えば、継続率でしたら、ふだんから活用できるコンテンツの充実でアップできるのではないか。投稿閲覧数でしたら、お得情報など広告内容の充実でもっと閲覧数がふえるのではないか。市民の投稿数は、ユーザーインターフェースなどの向上によって投稿のしやすさが向上し、もっと投稿数がふえるのではないかといったふうな検証を行っております。

 また、こういったホームページなどを解析できるツールがあることは、皆さん御存じの方は多いかと思いますが、アプリにも同じようにユーザー数やページビュー数などのアクセス解析ができるツールがございます。例えば、グーグルのファイアーベースアナリティクスは無料提供されているツールであり、それらを利用して、企業ではKPIの評価指標を測定しております。また、先ほど広報・広聴・交流の3つを挙げられましたが、広報については、ツイッターやフェイスブック、広報誌も見られるアプリ「マチイロ」など、利用者や拡散性、コスト面など、効果的な媒体がございます。tocoぷりの一番の特徴は、やはり位置情報を利用した広聴や交流の機能と個人的に考えており、この表の中では市民の方の投稿数や人数、要望等の対応数がKPIの評価指標に近いかと思われます。今後、そういった利用状況や実績を把握できる仕組みづくりとして、解析ツールの導入や、KPIなどの具体的な目標設定や評価を取り入れていく必要があるのではないかと考えていますが、いかがでしょうか。それにあわせて、ホームページなどでそれら評価データの公開や、今後のデータ活用のためにもtocoぷりのデータ蓄積をお願いしたいと考えております。また、ユーザーインターフェースが使いづらい、ダウンロードしたが使わなくなったなどという市民の方からのお声なども伺っております。私自身も、パソコンや一部タブレットに対応していないことや過去の投稿が見られないなど、ユーザーインターフェースに関して改善していただきたい箇所がございます。そういったtocoぷりに対する御意見・御要望窓口やボタンとして、ホームページやアプリ内にそういったボタンなどを設けていただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。

◎梶山浩 政策秘書室長  現在、ダウンロード数や投稿者数をもってtocoぷりの成果指標としておりますが、何を用いるかにつきましては、その視点によってさまざまではないかと考えております。約800万円の税金を投じて導入をしたアプリでございますので、費用対効果を図る上では、議員の提案の指標もその一つではないかと考えております。目標設定や評価、どのような方法が適当であるのか、研究していきたいと思います。

 次に、評価データの公開、データの蓄積等の御質問でございましたが、市民の皆様との信頼関係の構築であるとか、貴重な声を市政に反映するために、重要な視点であると思います。ホームページ上でのデータの公開や蓄積などについては、ホームページの管理課とも協議するなど、研究をしてまいりたいと思います。

 それと、最後に、要望のボタンを設置してはどうかとの御提案でございますけれども、これまでアプリの改善について投稿いただいた事例も現実的にはございます。このことから、現在の機能においても把握は可能ではないかと思われますが、議員提案の「意見や要望はこちらから」のようなボタンの設置という誘導につきましては、意見がより出しやすくなるということも考えられますので、研究してまいりたいと思います。

 以上でございます。

◆1番(矢澤青河議員) ありがとうございます。

 tocoぷりのコンセプトや方向性については、私もとても賛同しておりまして、今後ますます発展していただきたいと考えております。千葉市の「ちばレポ」については、現在、こういった市民賛同型のアプリとしても一番先を行っているアプリかと思うんですけれども、現在はそういったAIを活用したアプリを研究しているようで、こういう発展性という面でもすごく進んでいるアプリだと思います。tocoぷりも今後こういった発展性を求めていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。